卵巣のう腫の診断と検査はどんなことするの?
卵巣のう腫の正確な診断方法は、入院が必要な腹腔鏡検査をする必要があります。
でもこれは大変なので、通常の婦人科外来でする検査は以下の通りで、これらの検査結果を合わせて診断をします。
内診
下半身はなにもつけずに内診台に座り、膣から指や機械を入れて子宮や卵巣の状態を診察します。
卵巣が腫れている場合は、その部分を軽く押したりして痛みがあるかどうかなども確認します。
内診の様子は下図のような感じです。
個人のクリニックでは診察室自体が個室になっているので安心ですが、私が最初に通院した病院は総合病院でたいして新しい設備でもなかったので、診察室が2つ並びカーテンでしきられているだけのうえに内診台は共用でした。
つまり、診察室1と診察室2の両側から内診台を使えるようにカーテンで仕切ってある状態なのです。
そのため、隣の診察室の話し声が【丸聞こえ】で最悪でした。
しかも内診台も古いタイプで、すでに足を乗せる部分が開きっぱなしのために、自分から足を開いて座らなければならないのが恥ずかしかったです。
新しいタイプの内診台は、足を乗せる部分は最初は閉じているので普通に座ればよいだけで、座って準備ができると電動で足が開き診察しやすいような体勢になります。
経膣超音波検査
いわゆる内診と呼ばれる診察方法と同じで、膣から超音波の機械を入れて卵巣の状態を超音波画像で確認します。
卵巣のう腫の場合は、通常の2〜3cm(親指の第一関節までくらい)のサイズの卵巣がたいてい大きく腫れていますので、この検査でサイズを測って腫れているかどうかの判断ができます。
どのように器具を入れているのかがわかりやすい動画がありましたので参考にしてください。 注:日本語ではありません。
経腹超音波検査
お腹の上から超音波の機械をあてて卵巣の状態を超音波画像で確認します。
内診をしたことがなかったり、症状がひどくない場合などは、膣から入れずにこの方法で診察しますが、経膣超音波検査のほうがより卵巣の様子がわかりやすいので、ほとんどのケースでは経膣超音波検査で診察します。
血液検査による腫瘍マーカーの検査
採血をして、血液中に腫瘍マーカーと呼ばれる物質の数値が高いかどうかを確認します。
子宮内膜症・卵巣のう腫・卵巣がんではCA125と呼ばれる腫瘍マーカーの数値が高くなります。
正常値は35U/mL未満です。
私の場合は手術前は80U/mL以上ありましたが、手術後退院時の数値は40ぐらいまで下がりました。
ただ、腫瘍マーカーが低ければ安心かというとそうとも限りません。
子宮内膜症や卵巣のう腫では、腫瘍マーカー検査の陽性率はわずか10%だそうです。つまり、病気があっても90%の人は腫瘍マーカーでひっかからないことがあるからです。
卵巣がんの診断においても、75%を占める漿液性腺癌ではCA125の数値が高くなりますが、これもある程度進行していないと数値が高くなりません。卵巣がん初期の場合の陽性率は50%未満と、早期発見のための検査としては有効でないとされています。
CT検査
レントゲンの技術を使って体の中の卵巣の画像を撮影する検査です。
レントゲンですのですから妊娠されている方は利用できません。
卵巣のう腫が悪性でがんが疑われる場合にはリンパ節の転移がないかどうかを予測するのによいとされています。
MRI検査
磁気を使って、体の中の卵巣やその周囲の画像を撮影する検査です。
X線の被爆がないため妊娠中でもできる検査とされています。
卵巣のう腫の状態が悪性かどうか、癒着があるかどうかを予測するのによいとされています。
※あくまでも予測することしかできません。実際にどうなっているのかは手術してみないとわからないのです。
私は手術前の検査としてこの検査をしました。
検査中は、機械音で不安にならないためにヘッドフォンをして音楽を聴いています。
具合が悪くなったときのためにいわゆるナースコールももちますので安心して受けられます。
わかりやすい動画↓
卵巣のう腫が悪性か良性かの判断はどうやってするの?
卵巣のう腫のほとんどは良性ですが、中には悪性といって「がん」の状態になっていることもあります。
この判断はどのようにするのでしょうか?
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